[視界で白く衣を変える彼女に、魔族に向けていた視線を返す。
彼女を彩るたっぷりとした布地。
幾重にも重なる異装は、己の目を喜ばせ、撓めて見せる。]
―――…いいえ、貞淑だと思います。
ただ、ほんの少し……、
[と、そこまで言葉を零すが、後は濁して口を噤んだ。
変わりに装い新たにして見せた彼女の腰へと腕を回し、
引く顎先と傾ける体躯。>>294
襟ぐりに咲く薄紫色の花へ、口付ける仕草。
半眼に変わる魔族の眼差しなど知らぬと言わんばかりの態度。
静寂に捺す接吻は、纏うもの変えても、
自身の愛妻であると言うマーキングのように。]