人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


舞踊家 ソマリ

[心臓はソマーリュの手から離れ、無数の朱い花弁へ変わる。
幻想的なひと時の時間を経て、花弁は人の形へと。]


  ソマリ……?


[自分とは対局に、右に漆黒の羽根を生やした少年。
細やかな刺繍の入ったロングチュニックを着た長い髪の彼は、
チュニックの裾をちょこんとつまんでお辞儀した。]

  『ありがと、――まさかお前にお礼を言う日がくるとはね』

  なんか変な感じだな。

[過去の日を取り戻したような少年の姿を見て、苦く笑った。
少年は片翼の羽根を広げてどこかへ飛んでゆく。
ああ、いいなあいつは飛べるんだ、とかどうでも良いことを考えて――]

(323) 2013/10/12(Sat) 19:19:35 (もちもち)

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