例え思い出して、そこからまた逃げ出したくなっても、帰れる場所を作ってやれたらと、そう思う。
[ 一人で立てるまで、と、いう最初の約束は、そのままに、けれど彼が独り立ちした後も、見守ることだけは続けよう、と、いつしかそう、男自身考えるようになっていた ]
その時には、お前さんも頼らしてもらっていいか?シロウ。
[ 心は決まっていたが、少し気弱に笑って尋ねたのは、自分は軍人であり、いつまで生きられるかの保証はないこと、そして、最初から一人ではシュテルンを支え切ることは出来なかっただろう、という自覚が、男にもあったからだ ]
あいつはお前さんの事も慕ってるからな。力になってやって欲しい。
[ その願いに、シロウが否を言う筈がないことも判っていた** ]