─ァ……は、ぁ
[>>302初めて経験する、己の血を啜られる感覚。
背筋が甘く痺れ、開いた口から嬌声めいた音が零れ落ちる。
それは大浴場の中で反響しただろうか。]
…ソマー リュ
[牙が引き抜かれれば、熱い吐息を漏らしながらもソマーリュを瞳に収めようと。
けれど目の前でソマーリュの姿がかつて伯爵家で出会った頃のものに変化するのを見れば、真紅の瞳は見開かれて。]
…‘ソマリ’?
…っぁ、…。
[無防備に柔らかそうな喉を晒されてこくりと喉が鳴った。
吸血を経験していない上に血を吸われた所為でふらりと頭が揺れる。
肩を掴まれても振り払う事が出来ず。
―爛々とした少年の朱い瞳が、男の瞳を捉える。]