― 灼熱の闘技場 ―
[>>206無言の肯定に口の端が上がった。
嬉しい、すまない、そんな二つの謎の言葉が浮かんで消えるも今は疑問も持たない。
確かに言葉は不要なのだろう。打ち込む力も、その鋭さも、決して見劣りする物ではないが、相対している相手の揺らがぬ意志が、今は此方より優っていた。]
つまらない?
殺し合いに、余計な言葉を挟んでいるのはそっちだろう。
[>>207繰り返し告げられる言葉に、苛立ち覚えて眉根が寄った。]
僕とお前が敵だという事実と、
互いに剣を手に殺し合うという状況以外、
今は他に何もいらない―――違うか?