― 光の船 ―
[黙示天使の訪れが知らされたのは、
天の軍勢の降臨より一週間ほども後のことだ。>>309
未だ天の船に留まりし大天使は、すぐに彼の謁見を許した。]
来たか、アディリエル。
[名を与えし天使を迎えれば、大天使の顔にも笑みが浮かぶ。
振り返る背景には一面の大きく透明な壁面があり、
そこから地上の様子を確かめていたのだとは知れるだろう。
黙示天使を見返せば、三対六枚の羽根が背に揺れた。]
人の子らは、一先ずは沈黙をしたか。
[これだけでは済ませるまい。その予感はある。
とはいえ粛清の刃振るうにも相手は見極めねばならず、
それだけの猶予を、天の軍も置いていた。]
どうだ?地上は。