ならば。
兵個人の覚悟がどうであれ。それを見極め用いるのが、将校の役目。と、私は考える。
ウェルシュにも、衛生兵の多い部隊への転属を勧めた方が良かったのだろう。
[それは、自隊の面々が個性豊かすぎるが故に学んだ事。この戦で掴んだ物。]
ウェルシュの行為は、本人だけを責めるべき物ではない。精霊師……当人の能力故に、適正から目を背け部隊に置き続けた将校の責任と言えよう。
……この場合は、私だな。ウェルシュの件は、これらを含めた提言として、上へ持ちかける腹積もりだ。
[緩く、首を振る。前線ばかりが兵の仕事ではない。そう、続けた。]