― 厨房 ―[シスターの部屋を辞した後。 青年は厨房に戻り、スープの煮込みに取り掛かる。 傍ら、椅子に座って。 足を組み、頬杖をついて。 先のシモンとのやりとりを反芻する。 あんまりこういうのに使いたくない>>271、と言ってくれたのは、彼なりの気遣いもあるのだろう。 けど、薬師にとっては薬なんて所詮道具の一つでしかない。 利用するメリットがあるなら、それで十分なのだ。 シモンが処刑役をやるのと変わらない。]