― 温室 ―
[青味がかった薄ピンクの薔薇を貰った。
とってもきれいで、やっぱりおかあさんにあげようかなあ…なんて思っていると、何故だかふと、どうしておかあさんは私にこのお屋敷での仕事を勧めたのか不思議になった。
おかあさんは領主さまを知っているけれど、それは領主さまが領主さまだからだと思っていた。
でも、なんで領主さまがおかあさんを知っているんだろう?
おかあさんは何も教えてくれなかったしなあ。
と、再び携帯が呻き声を上げた。>>294
やっぱり領主さまお母さん知ってるんだ!
そういえばさっきも、ムール貝プリン(思い出してオウッとなった)食べながらお母さんがどうとか言ってた。
『愛でるならイケメン、愛されるならイクメン』
とはおかあさんの言だけど、まーさーかー…
広間に戻ると、誰彼なしに勝負を吹っかけている領主さまに近づいて、じっとりと視線を向け]
領主さま、泥棒猫なんですか?