[ゲルトに手を引かれて走り出す。さっきは、もつれる程に疲れを感じていた足も、不思議と今は前に進む。それでも、疲れのせいか、それとも身体的な能力の差なのか、どうしてもゲルトに引っ張られる形にはなった。]お、おんぶ…?!いいよ、大丈夫だよがんばるから[若干、頬を染めて首を振る。夜通し走って、僕らはどこまで行くんだろう。]僕さ、海って見たこと無いんだよね…えっ?何?今、何て言ったの??[まだ見ぬ土地に思いを馳せていたら、何か大事なことを>>321聞き逃した気がした。]