[>>315立ち去った特務少尉について話を向けられれば、緩く首を捻り。]
いえ、いつもは気さくな男なのですが。
[自分が見ている限り、彼についてはそうした印象を持っている。
残念ながら男自身は特務少尉と気さくに話をした事はないが。
大尉の面白がっている様子に密かに彼に同情の念を抱いた。]
いえ、
[礼を言われれば首を振ろうとして、頭を撫でる手の感触に褐色を瞬かせる。
撫でられていたのは一瞬の事なのに、暫し硬直していたがはたと我に返り。]
…あ、あの、はい。
合っています。
[一転して応対がしどろもどろになったのは、頭を撫でられた事など、ここ数年なかった所為だ。]