そう、[そこで、バルコニーから街並みを見ていた語り手は、聞き手の金色の髪を見やった。]俺がお前の父君であるトライプクラフト外務大臣の政敵、マーティン・フォン・ミュラー軍務大臣付きをしてるのも、同じ。将来我が"故郷"を取り戻す力を貸していただけるって──"契約"の元、ってことだ。[夜風に髪がなぶられるの紫眼が見やる。視線が向くのは、かつての後輩たる、ステファン・フォン・トライブクラフトへだ。]