お前が占い師の血統だったなんて。だがだとしたら、100年前の騒動について知っていても不思議じゃないわ。
これからは人狼騒動についちゃお前を頼ればいいってことか。
[実はフリーデルが狼に協力する人間だとか、狼そのものだとかいう話は、聞いただけでややこしくて理解できないので、まるっと投げて、お気楽な意見を述べるに留める。
それを聞いて、ジムゾンがどう感じるのか考えもせずに。
だが犯人の目星と言われると、少しむくれた。]
バーロー、俺がそんな賢いとでも思っているのか?第一目星がついてたら、ここでお前と酒盛りしてねぇで、とっくにそいつんとこ走っていってるわ。”お前がゲルトを殺したんだろ!”って。
[そして問いに完全に答える前に、酒を煽り、ぶすくれて燻製肉を齧るジムゾンへにやりと笑いかけた。]
同じ村の出身だからとか、仲間だからとか。そんなくくりなしで信じられるのは……ジムゾン、お前だけだ。今も昔も、そしてこれからも。
[男がゲルトを殺害した獣であっても、紛れもない本音を漏らして、残りわずかとなった酒瓶を押し付ける。]
食堂に戻らねぇか。皆集まってくる頃だろうし、二人きりの話もあらかた出尽くしただろ。*