[静かな第二エリアのどこか。どこに向かっているのか、半分自分でもわかっていないまま。]
ー回想・トゥランター
[オレが生まれたのは、デザートイーストから遥か彼方にある、辺鄙の星『トゥランタ』。由来、人狼種と人間が共生していた平和だった星。
とある事件があって、オレがこの星を出たのは3つか4つの時だったから、その星の景色はこれっぽっちも覚えてはいない。
……だが、あの時一緒に遊んでもらってた、2つ3つ上の兄ちゃんのことだけは霞みがかった靄のように、うっすらと覚えているーー。
あれから月日が経って。
いつの頃だったか。オレが人を信用できなくなったのは。デザートイーストの人々は、まるで何かに取り憑かれているかのように、本来の暖かさを失っていた。]