―少し前・食堂―[>>307兄とは声もよく似ている。兄を思い出してしまうから、見たくないに、聞きたくないに違いない。その思いからではあるが、一方的に避ける態度を取る事を心の中で謝罪しつつも、改める事は出来ないでいた。一緒にと言われれば]――っ。……分かりました。[けれど拒否する事は惜しく、了承する。握り締めた左手の爪が掌に食い込み、じわりと傷んだ。]