[ イングリッドの返答を聞いてから、テオドールは続ける。 ] ……「未来が決まっていないから」だと俺は思うのだ。 存在しない物を知る事は出来ない。 俺の予測や指示は正確だ。 聞かれれば、「未来を知る能力がある」と答えるようにしているが、 実際はそんなことは俺にも出来ぬ。 俺が知っているのは、未来ではない。 過去を知っているにしか過ぎぬのだ。