― 回想・6年前 ―
[卒業してからも、暇を見つけては士官学校へ遊びにいっていた。
帝国皇帝が病気という噂はちらほら聞こえてはきたものの、
その時はまだまだ和やかな雰囲気を漂わせていた。
勿論目的はリエヴルに逢いにいく為のものだったが、
そのほかに密かにカレルとの手合わせも楽しみになっていた。
一度だけ、カレルの師匠であるディークの真似をしてみて、
銃と剣とで試合をしてみた。
だが、大体が遠距離の撃ち合いに
満足出来る性質ではなかったから、
その日限りで、次の機会からは
再び剣同士で手合わせするようになっていた。
真っ直ぐで、純粋で。
国をよく護るいい軍人になれるだろうなと思っていた]