――ああ、何かあったら必ず、貴方に連絡しよう。
すまない、恩に着る。
[Tak.というテオドールにとってお決まりの感謝の言葉。
実はこれ、動作があって、場面によっては動作があって、深い感謝を伝えるとき、相手に自分の身に着けているサンストーンを見せる習慣がある。
――あなたに
という意味なのだが、出身地がバレるため、テオドールはどんなに深い感謝をしても、極力やらないようにしている。
また、ソールの地でも、あの32年前の戦火以降、身に着けるサンストーンが失われ、動作も失われつつある。
――――それを今、うっかりやった。
しかし、それにしまった、と思わないのは、もう失われつつある文化だと遠くからでも知っているからだろうか。もっとも、目の前の彼女がエレンだと知っていたら、こんなことはしなかっただろう。
“