― 回想:参戦前のとある明け方 ―
[水色の竜は、夜空に時々感じていた影竜と騎竜師の姿を認め、洞窟の入口で立ち塞がるようにバサリと翼を広げた。
ここの中にはキアラの私物も幾つかある。彼女が自分のことを隠しておきたいのなら、それを邪魔するのは許さないと]
――クルゥルル、ルゥ……ラ?
[褐色の竜に向けて警告するよう歌いかけた声の末尾が上がる。あまりにも純粋な視線>>307を受けて、戸惑うように首を傾けた]
――ルゥ。
[彼らが飛び去った後もその場を動かずに。
ただ、溜息のような一声を上げた。バレたね、というように]