人狼物語−薔薇の下国

13 Chant 〜あなたを失い死を知った〜 SIDE:B


情報将校 ミヒャエル

いつか、お前が言っていたのを覚えているよ。
石はこの星のかけらなんだって。
だから、俺は「俺たちの眼は星の色か」と返した。

……最期に見るのが星の色なのは悪くない。

だけど、
叶うなら、もう一度だけあの緑を見たかった。

秋の終わりに戦火に焼かれたみたいな野焼きの後、死に絶えたように真っ白な雪の向こうで生まれる時を待って、
春、燕の戻りと共に萌えいずる一面の若草を。

(319) 2013/06/22(Sat) 02:39:06

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