いつか、お前が言っていたのを覚えているよ。石はこの星のかけらなんだって。だから、俺は「俺たちの眼は星の色か」と返した。……最期に見るのが星の色なのは悪くない。だけど、叶うなら、もう一度だけあの緑を見たかった。秋の終わりに戦火に焼かれたみたいな野焼きの後、死に絶えたように真っ白な雪の向こうで生まれる時を待って、春、燕の戻りと共に萌えいずる一面の若草を。