人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


天軍指揮官 ナネッテ

― 静観の刻 ―

[地上に天の軍勢が攻め来りてより暫くの時。
 一見して、天の攻勢は凪いだかのように思われる。

 だが天上に光の巨船は依然としてあり、
 敵対すると見えた者、
 天に歯向かう者への刃が鈍ることはなかった。

 それでも地上の民にとっては一時の凪であり、
 その中には、天使に従い救いを求める姿のないではなかった。]


 『天に歯向かうというのか。
  天使様に逆らう者に───死を!』


[ぽつぽつと、このような者が現れた。
 ありふれた刃を手に握り、それを同胞へ振るわんというのだ。
 総じて、そうした者は天への信仰を口にした。
 信仰を───…、いや。狂信を。

 天使を見た、との証言がある。
 光に触れた者が、その性格を一変させたとの声も。
 そうした話は救世主の齎す奇跡の話とは別に、
 染みのように静かに、じわりじわりと広がり始めていた。]

(319) 2017/11/02(Thu) 23:56:09

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