[まるで駄々を捏ねる幼子のようだと自嘲はすれど、
それ以上に酷く気に掛かる事柄もいくつか見えて来た。]
……。
[この大人しい吸血鬼、妙に人間臭い物言いをする者も
中には居るものだとは思う。
彼の言動や振る舞いから、視点が自分達と近いように
感じられたのだが、それは一体何故だろう。]
貴方のそれは、人間の…真似事ですか。
[抱擁に似た仕草も、>>315先に希望があるように告げる
思考も、本当にただの真似事なのだろうか。
…彼の決定に背く事無く、その身に一時己の全てを委ね
泣くに泣けない顔をゆるりと埋めた。]