― 昼下がり:魔王の天幕 ―
[ イングリッドに、傷の手当てをさせた後、
考えをまとめる為と外を歩いて来たはずが、そういう事情で怪我を増やして帰って来た。
イングリッドにまた憤慨されたが、不可抗力だと言いたい。 ]
[ ともあれ、話すと約束したことは、果たさねばならない。
テオドールは厳重に人払いをして、ソファに座った。
魔王の天幕は、さすがに広く清潔だが、テオドールが華美に興味がないために、
質素で実用一点張りである。 ]
……ひとつ聞こう。
魔法で未来を知る事が出来ないのは、
何故だと思う?