[そのまま口を閉ざしていると、次にジムゾンが話し出す>>290。
生きるためには殺すしかない。
男は、戦場に出てからそう考えるようになった。
毎日のように硝煙にまみれながら聞く怒号や悲鳴。
殺さなければ、自分が殺される。]
そうだ、誰が敵かなんて、わかったもんじゃねェからな。
手当たり次第にぶっ殺す。
俺は、そうしてきた。
[談話室で、ジムゾンが>>173諦めた声で言った言葉を思い出す。
男は、処刑に賛成をしているというよりも生き残るためなら、
人を──何かを殺すのに躊躇いが無くなっただけだ。
ヴァルターの提案は、まさに殺される前に、殺す。
そこに一つ手順を挟んだだけで、考え方としては違いないというだけ。]
そうだよ、俺はもう、正気なんかじゃねぇよ。
[そして声を荒げたジムゾンの言葉はまさしく、真実だった>>133]