― 森の奥 回想 ―[おばばがディークに何やら儀式の話をしているのが聞こえてきて、好奇心をそそられた。>>0:276そして、夜更けに森の奥へ入ってゆくディークを尾行したのだ。ディークが足を止めたのは、森の中にぽかりと開けた空間だった。落雷の跡ででもあるのか、木が生えず、ちょうど頭上にさしかかった満月が明るい光を注いでいる。と、森の闇に目を戻したカークはそこにも数多の光を認めた。黄金の双眸──狼の群れが地を囲んでいた。]