― 天魔対戦〜風と焔が交わる時 ―
[喪われた右腕の再生を試み、聖なる光がもたらした傷がそれを拒む。
赤黒い断面からぽたぽたと溶岩を零しながら、さしたる痛手ではないというように魔王は立ち、離れていく太陽を打ち落とすべく魔力を、練っていた。
その視線が一瞬横へと流れる。>>293
ただの人間か、と離れかけた思考はすぐに呼び戻された。
そこにある、異質な気配――地上とも天や魔のものとも違う空気に、興味を惹かれる。]
なにをしに来た。
我に挑もうという愚か者か?
[玉座の前に立ち、ゆるりと身体の向きを変えて直接の言葉を投げた。]