―夜:白い森―[怖いかと聞かれれば。>>312幾度と無く、それはもう自分へ問うた問いでもあって。]……怖くないわけ、ないでしょう?自分の役目でもなければ、……もうとっくに。逃げ出していますよ。[さらりと言ってのけるものの。心の奥に宿る恐怖は隠しきれるものでもなく。さっきからだって、逃げようにも足が震えて止まらないのだ。撫ぜられる爪の感触には身体を震わせ、目をきつく閉じて。次の瞬間。首筋に強い痛みが走った。]