……そんで、シモン。
それを俺たちに言って、どうして欲しいんだ?
懺悔室はここじゃねぇぞ。
[無駄な殺し合いをせずに済むと呟くシモンにぶつける。
少し苛立つ口調になったのは、突拍子もない告白に付き合わされたことよりも、
もしそれが本当の事なら、何故もっと早くに言ってくれなかったのか。
本筋とは関係の無い部分で腹が立っていた。]
死んだ人間の声が聞こえるだって?
はっ……てめぇが言うなら信じねぇわけ、ねえだろクソッタレ。
[死んだ相手、ましてや殺した相手の声が聞こえるなどと。
生の悲鳴でさえ精神にくるものがあるのに、一体どれほどシモンは耐えていたのだろうか。
過去のどこかで聞いていたなら、男は絶対にシモンを軍から抜けさせただろう。
そうなれば、少なくともシモンはもっと幸せに暮らしていたはずだ。
最後の言葉は、消入りそうなほどとても小さな声で呟いた。]