[ 王との会話の間に、果敢に力試しに名乗り出たのは>>308先ほど癒しの術を皆に届けたヴィルへルミネ・ホーランだった。 ]
先を越されましたね。
[ そう呟いたものの、男は今、守護者と殴り合う気にはあまりなれずにいた。
先を思えば加減しないわけにはいかず、しかし加減はしたくもさせたくもない、と、どうしようもなく思ってしまっていたからだ。 ]
どうか御武運を。ホーラン殿。
[ しかし彼女なら、己のような屈託を持たず、真っ直ぐな想いと力を黒狼神と呼ばれる精霊にぶつけてくれるに違いない。
触れた力の一端の清らかさを思い出し、男は心からの声援を口にした。** ]