―教会―
リーザが、運ぶのを手伝ってくれたんです。
本当に、よく気の付く優しい子、ですね。
[そう、リーザのお手伝いを報告して。
一時期は村を離れたとはいえ、10年間見慣れた神父様が、
笑みのような表情を浮かべるのに、遠慮がちに微笑み返す。
笑いかけられ、頭を撫でて貰った犬は、
わふ!と嬉し気に一声低く啼いて、犬なりの満面の笑顔で、
尻尾を振った]
……え、でも……。…すみません、お言葉に甘えます。
[お茶とあたたまっていないか、との申し出には。恐縮した
ように、躊躇いの表情を浮かべるも。ふとリーザを見遣って、
先程の何処か常と違ったような様子を思い出せば。
案じる気持ちが先に立ち、おずおずと頷いた]