― 王都陥落数日後/王都 ―[決別の行動は示された。それに対し向けられる、瘴気の如き黒い靄>>305] ……喩え死すとも命乞いなど。 死する者を視、糧とする私にそんなことは赦されていない。[抵抗しないと言う選択肢は無い。抜いたファルカタを逆手に持ち後方へと流して、左手を解いて右胸の上へと構えを取る。好機があるとしたならば相手が攻撃を放つその瞬間。この身砕けようとも刃が届いたなら、人の可能性を突きつけることが出来ると。その思考を基に呪を紡ごうとした刹那]