ー宿の食堂ー
[俺の頭を触る仕草に、2人が妙な顔をする。>>296 >>297
危ない、無意識に口に出してしまっていたようだ。
曖昧な笑みを浮かべて、誤魔化すことにした。
幸い、うまく誤魔化せただろう。
ゾフィが「財務大臣たる財布君の…」というのを聞きながら、ホッと胸をなでおろす。]
なるほど、それは確かに。
飯に捕食されると分かっていては、財布君もそう要請する他ないだろう。
……そうか、ならこれ。よかったら。
貰いものだが、俺は食べられないから。
[俺はそう言って、チョコレートをポケットから取り出し、ゾフィとオズの前に置いた。
受け取ってくれるだろうか。
小さな主人が、以前に自分のおやつを俺に分けてくれたものだ。
包みのままで、俺が食べることが出来るかはさておき。子供ならではの無邪気さに、笑ったのを覚えている。]