ま、それで怯むアタシらじゃないがね。
こっちの本隊の方はどうだい?
[別の問いを投げれば、艦の並びが耳に入り、ヴィクトリアは思わず小さく笑った]
なんだ、シロウの奴こっち側に居るのか。
遊びに来る心算かね、アイツ。
[彼が持つ視野は広い。
軍医としての自負がそうさせるのか、よく他の艦の様子を見ているとヴィクトリアは思っている]
アイツが”アレ”を覚えてるなら…手伝ってくれそうだな。
[奢る、の言葉で明かした自身の名の意味。
酒の席であったため、記憶が消えてなければ覚えているだろうと。
口端を持ち上げながらヴィクトリアは舵を切った]