― 飛行船 ―シメオン…[ゆるり、と男の手が探るように動いた。既に視界は失われ、ぼんやりとした灰色の闇が男を包む]大使殿に…これを[手渡すのは、一つの紋章入りの指輪]放蕩息子への、形見、だ…[シメオンは、彼が仮面の男として名乗った名を知っていただろうか?*]