― 回想 ―
[ 10年前に拾った子供は、言葉もキチンとは出せない風で、とにかく一人には出来ないと、帰国する艦内でも、最初はずっと連れ歩いた。
危ない場所に入り込まないように、ひとつひとつ教えながら、歩き回っていた、その途中、ふいに、軍服の裾を引っ張られて>>18男は足を止めた ]
どうした?
[ 何か聞きたいことでもあるのか、と、見上げてくる顔を見つめたが、子供は、しばらくの間、ぱくぱくと、口を動かすだけで ]
お、おい?具合でも...
[ 悪いのか?と、慌てかけた時、ようやく音になった言葉が、耳に届く ]