[>>244口元が綻ぶ意味は分からずに。何処かで会ったかもしれない。怪我をしたら手当を…との言葉に女は考え込む。何処かで会っていたのだろうか。はっきりと覚えていないとは情けない。しかし、記憶に残る程に騎士団以外の人間と接する機会など、]……。[一つだけ、あるとすればベサリウス学館で過ごした二年だ。けれど‘巫女姫’があの場所に居た記憶はない。もしも視察などで会ったのなら、きっと覚えている筈で。]