― モーリス ―
[ 若い騎士が己を磨くのと比例するかのように、、
悪の勢力も日に日に勢いを増していた。
魔軍には新しい部族が加わった。
獰猛で邪悪なバシリスクども。そして、闇の眷族ナイトメア。
魔王に従属するにあたって、バシリスクは週に1人の赤子を求め、テオドールはこれを許可した。
そしてナイトメアは、 ]
『 お前の安眠を。この先永遠に。 』
[ この夢魔は、それでテオドールが怯むとでも思ったのだろうか。
鼻を鳴らし、テオドールはこれも許した。 ]
構わん。
好きなだけ奪え。
……ただし、睡眠時間が短いと後から文句を言っても知らぬぞ。
[ そして、
鮮血色の目以外は、タテガミも蹄も漆黒の獣が、テオドールの乗馬となった。 ]