[あれは五年前のこと。
自分が銀羊号に配属され数週間しか経たぬ頃。
管理部と警備部は業務柄交流も多く、合同で歓送迎会が行われたのだが、当時警備部を退職するらしい男性も参加していたのを覚えている。
見るからに強面の男性の退職を、管理の人間も警備の人間も惜しみ、人望のある方なのだろうと感心していた。
さらに、緊張で固まっていた自分にも優しく声を掛けてくれた記憶も残っている。]
どうしてここに、いえ、もしや避難出来なかったのですか?
……船の不手際により、誠に申し訳ございません。
[再会を喜び色々話を聞きたくもあったが、船員として現在の惨状に一先ず頭を下げる。
当然、彼の思惑など知る由もなく>>277。**]