…。[自問して、ふると首を振った。今自分はディークの兵士で、それを決めるのは自分ではない。相手が大将であるなら尚の事だ。胸には何時だったか聞かされた、ディークの父らの話が蘇る。今勝手をするという事は、その時領主がした事、された事と似ている気がする。同じことをして、同じことをされては意味がないのだと。]――それいじょお、ちあづくな!そこでまで。[そう眼下の青年へ大きく告げると、引いた弓の形をとったまま、この砦の代表者であるチャールズの号を待った*]