[陽光が地の向こうに去った頃、一つの扉を押し開けた。
その途端、外にいたのとはまた違った空気を喧噪が空間を占めるのだ。
→ 酒場 ─
その日、此処に来た理由は単になんとなく、だった。
何かしら事情あって潰れたい訳でもなければ、漠然とそのものが好き、という訳でもなかった。
それでも、何となく訪れたのだ。]
…あれ、ブライアン様?
もう戻られたのです?
[一人で食事をしていたその姿には見覚えがあった。
確か軍役していて、白狼騎士団の方へと異動したのではなかったか。
彼女が顔を上げたのと入れ替わりで、横の席に腰を下ろすだろう。]
然し、酷い状態ですが大丈夫ですか。
[困ったようにそう言って、彼女を見遣っていた。]**