[その時だった。
凄い勢いで白絽侯の腕に、何か白いものが飛びついた。
え、とままならぬ体勢から振り向くと、ぷらーんとぶら下がった小動物らしき白いものは、人の姿に変わった。>>305
目に痛い極彩色と、もはや見慣れた三白眼。]
……ッ、チェーザル?!
[呆気に取られて叫んだ。
鎖も手枷もなくなっていて、首には見慣れない太い首輪が嵌っている。
叩かないで、とか痛いのはダメとか、ちっこい両手を広げて、懸命に抗議している。
ちょっと事態に頭がついていけない。]
おまぁ、無事じゃったんか?
よう戻れて、
[カーテンの向こうの、部屋の中が目に入ってしまった。
知らない男が驚いた顔で立っていた。>>307
見られた。全身が凍りついた。]