[ 喪われて何年も心の底で眠っていた思い、それが、更なる喪失によって目覚めさせられたなら、彼が、全てを受け止めるのに、時間がかかるのは仕方が無い。けれど、僅かにでも、見えた光のいろに、男は静かに安堵の息をつく ]ああ、飛んでいけ。お前は自分で自分の飛ぶ空を、選んでいける。それが出来ると、俺は信じてるから。[ 男は養い子の右肩に、ぽんと、手を乗せる ]俺も、見ていてやる、この海からな。//