[死亡者名簿を受け取り、ぱらぱらと捲った。
――思ったより遥かに多い名前に、眉を顰める。]
(まだ、回収が済んだわけでもないだろうに)
[此度の奇襲は、想像以上の打撃を公国陣営に与えているようだ。
人的資産だけではない。
公国側の物資は著しく減退し、糧食のみならず主要火力までもが大量に焼失の憂き目を見た]
(奪還作戦は成功したが――
あれは、ノトカー・ラムスドルフ少佐の個人的な感情が関与した偶然に過ぎぬものだろう)
[運よく、直接的に情報を手に入れられる立場には潜り込めたが、さてどうするか。
よくよく逆縁だ、と内心苦笑しながら、イニシャルLの欄に死亡者の名前と出身を書き込む。
――ぱらりとページを捲って、ぎくりとした]