―小部屋―[内緒話をするように人差し指を口許に当てて] ――ええ、それが。 覚えていないんです。[囁きと共に、悪戯っぽく笑う。相手は信じるだろうか。空色は眼前の彼を見つめつつも、何処か遠くを映すようで] …何か、何か沢山死んでいたような気がするんですが。 そして僕も、一緒に死んだような気がしたんですが。 生き延びてしまったようです。 悪人の方が長生きするって、本当なんですね。[話の幕を降ろすように、手を降ろした]