[飛行船までの間は、ゆっくりと歩いた。シメオンは既に異常に気づいていたか。気付いていたとしても、クロードには知られたくないのだとは察してくれたろう]は…[飛行船に乗り込み、その船底が地を離れた瞬間までが限界だった。ずるりと床に座り込み、男は顔を顰めて脇腹を押さえる。じわりと紅い染みが男の衣服を濡らしていた]