シン、歌って。[ ぐるぐると、巨狼の気を散らすように旋回しながら、白銀の竜は、これまでの鳴き声とは違う、高く澄んだ声で歌い始めた。 ]『ru...rururu...ruru』[ その歌声に応じて、竜の纏う白く冷たい霧氷が波打つように広がり、巨狼の視界を妨げんとする。 ]ほら、こっちだ![ 高度を変えながら、頭に向けて矢を放てば、致命の傷は与えられずとも、気をひくことは出来るだろう。** ]