[ 突き立てた刃の下からは、生き物の紅い血ではなく瘴気めいた鈍色の蒸気が噴き出し、大蛇の巨体がのたうちまわる ]
く...うっ!
[ 足を着いた蛇の頭が激しく振られるのは、顎の下を鋭く切り裂く星司の双剣のせいだろう ]
負けないって...言ったんだっ!
[ 振り落とされそうなのを懸命に堪え、突き立てたサーベルに全体重をかけ、更に深く、柄まで埋まる程に押し込んだのは、星司の剣が、大蛇の喉へと突き刺さったのとほぼ同時 ]
[ ダーン!と、枝分かれした尾は世界樹の幹を叩き、やがて、その力を失っていく* ]