こんにちは。 これから、訓練ですか?[髪のことは意識しないよう、努力をして猫を被り、すまし顔を作る。けれど挨拶を返そうと振り向く動きに合わせて、黄金色の髪が靡くと。まるで動くものに反射する小動物のように、無意識に手を伸ばしそうになり] (鎮まれ、――私の右手!!)[右手を咄嗟に左手で掴みながら、心の中で叫んだのは、きっと、どこやらで読んだライトノベルのせい。妙なポーズで動きを止めた玲緒を、不思議そうに見つめるミリアムに、誤魔化すように引き攣った笑顔を向けるのだった]