[そんな思考はすべて押し隠し、表面上はにこやかに取り繕う。]
それを伺って、安心した。
けれど、僕の養い子は、自分の血親に酷い虐待を受けていたトラウマがあるのですよ。
僕の話だけでは、彼の不安は癒しきれないと思う。
どうだろう?
もし貴殿のお許しさえ戴ければ、後でこの雛鳥に会わせてやりたいのだけれども。
ふたりきりの場で、雛鳥の口から大丈夫だと聞けば、疑念も消えるでしょう。
[もし雛が本当に逃れたいと思っていた時のために、一応だめもとでクレステッドに提案してみた。
雛が見かけの何分の一かでも敏いなら、チャンスに気付くだろう。]