……。[荷物に隠していた指輪が光っているのを見つけたのは、その時だった。 作業の為に外していたそれを持ち上げ、ゆっくりと薬指に通す。 兵舎の一室はがらんとし、誰もいない。 慎重に辺りを見回してから、寝台に腰掛けた。 ゆるく息をつくと、魔石を軽く捻り、保存されたメッセージを確認しようとする。 こまかな文字が、魔石の表面に浮かんで、瞠目する。 ――イェン=サラーの認識番号。]